オープニング全体会


多様性を新たな共生社会のチカラに


 国や人種、宗教などはもちろん、地域や組織、世代などの間にも違いやそれぞれの文化・風習があります。異なる文化との出会いや葛藤は身近な生活場面でも生じているにもかかわらず、関係のないこととして静観していたり、異質なものを排除したりするような風潮や出来事も起きています。日本社会における多文化化がますます進む今、これらの問題と向き合わずして、これからの地域共生は語れません。一方、これらの違いを前向きにとらえ、多様であることを新たな社会のチカラに変えていこうという動きも見られます。

 オープニング全体会では、さまざまな多様性と向き合い、新たな共生のカタチを模索する3人をパネリストとして招きます。実践報告とディスカッションを通して、これからの社会のあり方を展望するとともに、そのプロセスに市民がボランタリーに参加していくことの意味と可能性を探ります。


【パネリスト】

モモヨ・ヤーゲンセンさん(ノーフュンスホイスコーレ短期研修部 代表/デンマーク在住)

1990年に渡航。デンマーク語語学学校に通いながら特別養護老人ホームで実習を受ける。その後、デンマーク国立介護士養成学校へ入学し「社会保健医療介護士(日本の社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士が合わさった資格)」を取得し、精神疾患・触法精神障害者の入所施設に勤務。2000年より教育指導員・教育心理学・心理学・社会学などを専攻し教員免許取得。現在、デンマーク人を含む多様な国籍の外国人留学生を受け入れる国民学校「ノーフュンスホイスコーレ」に勤務し、対話を通して自己理解・他社理解の“人づくり”を促進している。

石井 ナナエさん(特定非営利活動法人ふじみの国際交流センター 理事長)

国際交流に関心があり、地域に外国人と交流する居場所が必要と考え、法人設立に尽力した主婦。日本に住んでいる外国人の「自立支援と多文化共生」を目的とし、外国人の生活相談、数か国語で書かれた生活情報誌の発行配付、日本語教室、外国にルーツを持つ子どもの学習教室、DV被害者母子の自立支援、パソコン教室、通訳・翻訳事業、国際交流イベントの開発などを実施。かつて支援を受けていた外国人がボランティアに来るなど、多様性溢れる地域づくりの(コーディネーター)仕掛け人である。

松岡 健太さん(株式会社御用聞き 取締役)

2017年に日本社会事業大学卒業。在学中、様々なボランティア活動に関わる中で、御用聞きの活動に出会い、魅了され、就職。日常のちょっとした困り事(御用)を学生ボランティアと共に、会話を大切にしながら解決する「地域を盛り上げる、生活者に寄り添う活動」を展開。東京都内の高齢化した団地での活動を中心に、幅広い地域、人々のニーズに応えている。世代間をつなぎ続ける、活動最前線の若者!

【コーディネーター】

村上 徹也さん(独立行政法人国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター)

1989年から2002年、青少年のボランティア活動を推進する社団法人に勤務。2002年から2004年、米国のポインツ・オブ・ライト財団の研究員としてサービスラーニングを研究。帰国後、市民社会コンサルタントとして、サービスラーニングを普及する教育施設づくり、教育現場と地域の協働プログラム開発、講演やワークショップのファシリテートなど市民社会に関わる幅広い活動を展開。2009年から2018年、日本福祉大学で、サービスラーニング、ボランティア論などの科目を担当。さらに、東日本大震災の様々な災害時に、日本福祉大学災害ボランティアセンターの被災地支援活動にも参加。2018年4月から現職。