A-7 病院

小児医療施設のボランティア活動を生み出すボランティアコーディネーターの役割

困難な事例や成功事例から学んだこと


対象

・医療施設で働くボランティアコーディネーター

・このテーマに関心のあるボランティアコーディネーター、ボランティアリーダー

 

定員:20名


 子どもの入院環境におけるボランティアの需要は多岐にわたります。中でも高度医療を頼って遠方から治療ために来院する難病児の場合、付き添う親やきょうだいに対する支援も必要です。とはいえ、感染のリスクやプライバシー等の問題もあり、ボランティアの受け入れはハードルも高い上、コーディネーターは数も少なく、一人職で、組織力も弱い状況です。

 今回は困難事例や成功事例を報告し、情報を共有しながら、コーディネーターのスキルと社会的認知度を高めていきます。


【講師・ファシリテーター】

野中 淳子さん(神奈川県立保健福祉大学 教授)

神奈川県立保健福祉大学で小児看護学を担当し長年に渡り看護教育に携わる一方、全国の小児病院におけるボランティアの現状調査を皮切りに、小児専門病院においてボランティア活動の一環で、きょうだい支援のイベントを企画・開催し家族支援を行っている。今後も教育と実践を繋げ、仲間づくりを大切にしながらきょうだい支援およびボランティア・ボランティアコーディネータの活動・普及に尽力していきたい。

【講師】

坂上 和子さん(認定NPO法人病気の子ども支援ネット遊びのボランティア 理事長)

1991年国立国際医療研究センター小児病棟で「遊びのボランティア」を立ち上げる。2006NPO法人取得。2018年より“小児医療施設ボランティアコーディネーターの会”を立ち上げ、国内外のこども病院を視察したり、研修会などを開催しながらコーディネーターの社会的認知度を高める活動を行ってきた。

【事例報告者】

加藤 悦與さん(神奈川こども医療センター ボランティアコーディネーター)

神奈川県立こども医療センターで看護師として働き、2015年定年退職後2代目の専任ボランティアコーディネーターとして週4日非常勤で勤務している。センターでは、およそ400名のボランティアがおり、30のグループが活動している。ボランティア活動の発展と心温かい療養環境を目指して行くために、全国の小児医療施設のボランティアコーディネーターと情報交換や意見交換し、その輪を広げていきたいと考えている。

佐藤 直子さん(宮城県立こども病院 専任ボランティアコーディネーター)

宮城県立こども病院が2003年に開院した時から言語聴覚士として働く。2017年に定年を迎え、同院の4代目のボランティアコーディネーターとしてフルタイムで勤務している。来院する患者さんとご家族が安らぎを覚え、快適な環境で過ごせるように、260人余のボランティアさんが活動しているので、その調整を行っている。患者さんとご家族に寄り添いながら、更なる発展を目指しボランティアさんの活動の場を広げてゆきたいと考えている。

金岡 好さん(あいち小児保健医療総合センター 保育士)

名古屋市の幼稚園で幼稚園教諭として働き、2015年にあいち小児保健医療総合センターへ入職。当初は外来保育士として、保育業務と共にボランティアコーディネーターも行っていた。ボランティア活動やコーディネートの在り方などを改善できるようボランティアを担当しているが、2017年より病棟勤務となり、コーディネート業務は主に現在の外来保育士が行っている。病院にいる子どもとご家族が安らぎと楽しさを感じ、またボランティアさんも同じように感じながら活動が出来るよう、コーディネートやボランティアの定着を目指している。

冨澤 真麻さん(埼玉県立小児医療センター 選任ボランティアコーディネーター)

2017年1月より埼玉県立小児医療センターボランティアコーディネーターとして勤務。病院ボランティアの導入、募集、活動開始に携わり、現在は院内のボランティア活動と外部団体による慰問活動などの調整を担当している。病院や患者のために日々精力的に活動するボランティアへの敬意と感謝の気持ちを忘れずに、共によりよい療養環境作りを担っていきたいと考えている。